支援届ける連携
他方、菅野拓『つながりが生み出すイノベーション』では、ネットワークを築いている多様なNPOや社会的企業などの活動に目が向けられる。その一つとして、複数の組織の連携による緊急物資支援プログラムが取り上げられるが、そこでは「近くは競合、遠くは仲間」という緩やかな関係性を築きながら、「創発する地域」を生み出しているという。ここでも「同じであること」を強制されない時空間の獲得が要とされる。
いずれの書も、あらたな関係性の構築をうながすような「小文字の復興」に目が据えられている。一方で、現地の要望に沿った復興策がいわれながら、被災者たちの多様性を考慮に入れない政策がいまなお続いているのも事実である。=朝日新聞2021年3月6日掲載
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